合田隆実(昭和32年卒)
イタリア、ミラノの思い出
3年に1回開催される、プラスチック総合機器展「パックプロ」、北イタリア・ミラノに世界中の関係者が集まる。会社員時代は毎回参加させてもらった。おかげでイタリアの観光地は、くまなく見学した。サンタマリアデッレグラツィエ教会、レオナルドダビンチ作、「最後の晩餐」世界遺産はお客様同行時含め数回訪れている。第二次世界大戦空爆のため破損した建屋、絵画とも大変な打撃を受け、復興に20年かけ1999年完成を見た。
教会内はいつ行っても、学生の団体、ツアー客、観光客などでごった返えしている。1階の見学場所から、2階壁の絵画まで、かなりの距離がある。見学者は「ああ、これが『最後の晩餐』か?」と、その程度の満足感しか得られない。でも実物は本物、確かに本物を見た、その程度で納得をし、教会を後にするのです。
一人で見学をしたある時、教会の近く、ドーモウ広場、日本と同じく鳩が群れている。きちっとした身なりの紳士が、近づいてきて持っていたポプコーンの袋を自分めがけて投げつけて来た。途端にたくさんの鳩が体についたコーンを目指し殺到。これには驚いた。鳩を追い払っている間に、その紳士の手がのび、私のショルダーバッグをあさった。何とか事なきを得たが、全く油断も隙もない。観光地での子供の物売り、乳飲み子を抱えた、哀れげな母親の物乞い・・・世界に冠たるミラノでの考えさせられる出来事でした。世界は色々。
*記事掲載:2024年12月7日
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