合田隆実(昭和32年卒)
社長より偉い社員マイスターの立場
ドイツ包装機械メーカーヘの出荷検収時、いつも思うこと。ドイツのマイスター制度の事である。とにかくある仕事に関し、経験、熟練度により、会社はマイスターの称号を与える。学歴など全く関係ない。社長もマイスターには絶対に逆らわず、進言を受け入れる。日本への出荷もマイスターのサインがないと、社長も許可できない。工場はこのマイスターを中心に組織だって動く。
工場の現状、日本の社員みたいに終業後の帰宅途中での一杯はない。もちろん全員が車通勤である。終了後さっさと家路に急ぐ。10時過ぎまで明るい夏時間、帰宅後皆さんの家での仕事に精を出す。
幹部社員の家に呼ばれた数回、どの家にも必ず地下に酒蔵があり、ビールやワインが眠っている。我々が訪問すると、地下からワインを持ち出し、ふるまってくれる。何とも優雅な生活に見える。それと月に一度のリクレーション、金曜日の終了後、たくさんの人がケーゲル(日本のゲートボール)で遊ぶ。この日ばかりはビールを飲み、とんかつを食べながら、嬉々としてはしゃぐ。会社の仲間との会合はこの日しかない?どの家でも自前の大工仕事、家の改造、庭の手入れ等見せられる。ドイツ人全員が職人さん?そんな感じさえする。
こうやって工場の皆様は、家と会社の往復、大切な家族のために働くのです。我々から見れば、理想的な家族円満、夫婦円満、に見える。でもいろいろあって、そうでもないらしい?人間ですものね。
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