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「私の職場」株式会社 日建設計

S40年卒 門田睦雄


 私の仕事については以前このコーナーで報告したことがありますので、今度は最近体験している新しいオフィスについて紹介します。


 私の勤務する日建設計は都市や建築の設計事務所で、東京スカイツリーはじめ幾つも皆さんご存じの施設を設計してきましたが、皇居の目の前に建つパレスサイドビルもその一つです。

 日建設計は、一昨年(2018年)末にこのビルの8階にサテライトオフィスを開設しました。そこに私もフリーアドレスの席がありますので、週に1~2回はこちらで勤務します。

 目の前はすぐ皇居で、床から天井まで全面ガラスの窓から見下ろすと、真下にお濠と平川門、そのすぐ脇には皇居の馬場があって、朝は馬の訓練をしているのが見えます。


1・パレスサイドビル外観:円筒状のコアと水平に伸びる大きなガラス窓が特徴

2.オフィスの窓の目の前の皇居:正面が平川門、その左が馬場

 パレスサイドビルは1966年に竣工し、もう半世紀も経っているのですが、未だに新しさを留めていて、「昨年出来た」と言っても違和感が無いほどです。

 ドコモモという近代建築の歴史的価値の保存と継承に努める国際組織が、1999年、あまたある日本の近代建築の中からわずか20作を選び出した中の一つという、評価の高いビルです。

 オフィスビルですが、毎日新聞の本社ビルでもあるので地下には大印刷工場を組み込み(現在は別の印刷工場になっている)、当時まだなかった地下鉄竹橋駅を新たに設けて接続するという、大変複雑なビルです。これを、ファストトラック方式という、工事をやりながら並行して設計を進める方式でやったのですから、設計工程は信じがたいほどハードだったと思います。


 ビルの見どころは幾つもあります。中廊下を挟んで矩形のオフィス空間を少しずらして配置する平面形、東西の二つの円筒のコア(エレベーター、階段、便所などをまとめて配置する部分)、床から天井までの大型ガラス窓、日除けのための庇と階ごとに切られた雨樋等です。

 屋上は冷却塔などの機械類が一切見えない、すっきりした屋上庭園となっていて、昼休みにはここでお弁当を食べる人たちがやってきます。1階と地下一階は吹き抜けを挟んだレストラン街になっていて、おしゃれで気さくな街並みを思わせ、ここも昼間はにぎわいます。


  3.ビルの構成:地階は東京メトロ竹橋駅と直結、標準階は円形のコアとそれをつなぐ中廊下が特色。      (パンフレット:パレスサイド・ビルディングより)

4.レストラン街:1階と地下1階は吹き抜けでつながり、手ごろな飲食店が並ぶ。

 8階でエレベーターを降りると、日建設計の受付ロビー越しに皇居が目の前に広がり、この階で働く他社の人や訪れた人にも、前を通る時に景色を楽しんでもらえる設計です。

 内部は2019年の日経ニューオフィス賞も受賞した斬新なオフィスですが、骨格は我が先輩たちの残した実物の教科書でもあり、そんな中で仕事をすると仕事もはかどります。


5.エレベーターホールから:EVホールの目の前が日建設計のオフィスで、ロビー越しに皇居が見える。

6.日建設計オフィスのロビー:皇居の周りに広がるビル群を眺めるのも楽しい。

以上

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