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「コラム」 世界ぶらり旅(第3回)

合田隆実(昭和32年卒)




アラブの大富豪?


 東西ドイツが統一、世界中が大騒ぎした1989年、丁度西ドイツの田舎街にいた。帰途予定のルフトハンザ機が、ダブルブッキング判明、翌日に帰国を延ばしてくれる人を募集、急ぐ用事もない自分が申し出た。航空会社が宿を手配。泊まったこともない、フランクフルト空港の最高級ホテル、シェラトン、フランクフルト空港。ラッキー、思いがけない幸運だー。喜んで夜は、ホテルのレストラン、カウンターに座った。

 丸い大きなカウンターを囲み、賑やかな見るからにアラブの王様風の人、ジョッキを重ねている。驚いたことにビールをお変わりするたびに、チップ込みで、ボーイに100マルク渡している。周りにいる入にまでビールをご馳走、その都度100マルクを渡す。ついに自分にまで飲め、飲めと勧められる。遠慮なくジョッキ3杯もいただく。その都度100マルク、日本円換算約4万円、民族衣装のボケットからマルクの札束が覗く。世界中にはこんな金持ちもいる。

 更に巾着袋から宝石の原石?ジャラジャラとカウンターに転がす。自分は見たこともない、一斉に歓声が上がる。一つぐらいこっちに転げてこないかな?すごい風景に酔いがさめた。まもなく年配の奥様、宝石を無造作に、巾着袋に詰め込み、旦那の手を引っ張り部屋に消える。

 昨夜のことは夢か幻か。飛行機の中、サービスのただ酒を飲みながら、やっと我に返ったことでした。高いビールを飲ませてもらった。


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◎連載エッセイ「世界ぶらり旅」バックナンバーURL

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