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「コラム」 世界ぶらり旅(第7回)

合田隆実(昭和32年卒)



列車で巡る旅の楽しみ


 ドイツを中心に列車で巡るヨーロッパの旅を楽しんだ。現役時代は、出張の合間に、会社を離れてからは自由に一人旅、気ままに廻る、宮殿、お城、名所旧跡等、見るものはいっぱいある。特に印象深いのが、ライン川沿いを走るドイツ鉄道、1982年より何度往復したことか。楽しい海外の思い出である。

 1326年、航行の船より税金を取るために建設された、ライン川の中のお城、プファルツ城、全長50メートルに及ぶ強固な岩盤の上に建設された当時の技術、繰り返された洪水にも耐え、何百年、今も続く先人の知恵、想像するだけで、頭の下がる思いがしたものである。洪水に備え、窓も部屋もない船型のお城、ライン川をバックに延々と続く背の低い、竹の杭に支えられたワイン畑、日本と違ったワイン畑の様子も、新しい発見でした。戦争に巻き込まれることもなく、その姿をそのまま残したプファルツ城、中世の面影を今に伝えているのです。ライン川沿いで、川幅が最も狭くなる(90m)場所、高さ132mの岩塊がそびえる「ローレライ」の物語等、楽しい列車は南下してスイス、チュウリッヒまで続き、いよいよアルプスの麓が近づいてくるのです。

「父なる川」と呼ばれるライン川は全長1355km南ドイツ、コンスタンチに始まり、オランダ、ロッテルダム近くで大西洋に流れ出る。その間経由の街は、中世そのまま残されており、名所旧跡が多く、川沿いのワインの産地等、酒好きの我々にとってたまらない魅力の宝庫なのです。ライン川と共に発展してきた、マインツ、コブレンツ、デュッセルドルフ、ケルンなどの街は、それぞれ趣が違う中、それぞれの特徴があり、戦後の修復に、以前そのままの姿に復興させたドイツの皆様に、感謝の念は禁じ得ません。数十回訪問したドイツファンとして、いつまでもこの中世の面影を守りつつけていただきたい、願いです。



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