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「コラム」 私のおすすめ空間(第1回)

門田睦雄(昭和40年卒)


日比谷アーケード


 仕事が建築設計であるため、建築雑誌などで紹介される色々な空間を観に行くことも多かった。そんな中から個人的に好きな空間で、多くの人にも親しんでもらいたいところを、<私のおすすめ空間>と題して、シリーズで紹介してみようと思う。皆さんからも、おすすめ空間の投稿が続くことを願っている。


 第1回は、先日(23/3/25)久しぶりに行われた東京錦陵会タウンウォークの際にも立ち寄った、東京ミッドタウン日比谷の地下にある「日比谷アーケード」だ。


日比谷アーケード


 ビルの両側を走る、東京メトロ・千代田線日比谷駅と日比谷線日比谷駅を結ぶ、最短の地下経路にもなっているため、公共通路の性格が強い。雨の日は濡れずに、暑い日差しの日は涼しく移動でき、乗り換え客に対して大きく貢献している。

メイン通路を構成する列柱の両側は商店に面し、スターバックス前は椅子とテーブルが置かれ、ヨーロッパの街並みのカフェのようだし、お洒落なパン屋もあり、名古屋の粕漬の名物店「鈴波」には食事席も付設していてお薦めだ。通行人が多いことは、これらのショップにも嬉しいことだろう。


 空間としては、何より天井が高く明るいのが心地よい。この地下通路のデザインは、もともとここにあった三信ビルという名建築の、1階と地下1階を繋ぐ吹き抜けをモチーフにして、より大規模に再構成したものだ。旧ビルを知る者にとって、懐かしい空間がより大きな機能を伴って、見事に再現されているのを見るのは感慨深いだろう。


三信ビル内部


 この場所はこれから多くの人に親しまれ、東京の名所になるであろう。私は3階のシネコンで映画を見る時の時間調整に使っているが、皆さんも待ち合わせや、時間つぶしに利用されることをお勧めする。

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