今年、世界ではアフリカでバッタが大発生し、中東やインド、中国の一部まで飛来し、食糧危機の危険性も出ていますが、北九州では稲の収穫期にウンカが襲来し、京築地域も大被害を受けました。原因は先ずベトナムなどでウンカが異常発生し、それがジェット気流に乗って日本に飛来、長梅雨とその後の高温が異常繁殖を招いたためと言われています。
被害をもたらしたのはトビイロウンカで、稲株にとりつき坪枯れという現象を引き起こします。殺虫剤をミニヘリコプターやドローンで散布しても、稲株には薬剤が届きにくく、薬剤耐性も出来ているようで、散布効果は薄かったようです。
被害は京築地区全域に及びましたが、ウンカ用に開発された薬剤を稲株に使った農家は被害が少なかったため、歴史的被害にはならなかったものの、収穫量は20%以上の減少となった模様です。
各農家の対応も差があり、高齢化で田んぼの見回りや手入れができない農家では、迅速な対処が出来ず収穫が半減したところもあって、これを機に農作業を営農組合などに委託する人が増えているとも聞きます。
勝山上久保地区の小学校では、学校の授業の一環で、田んぼで稲の育成体験をさせています。今年は、田植えはコロナの為出来なかったものの、稲刈りは何とか出来ました。
写真から分かるように、子供たちの刈っている部分の稲は未だ緑が残っていますが、その後ろの稲は茶色になっており、これがウンカによる坪枯れです。
この田んぼではモチ米を栽培し、収穫は学校や地域での餅つき大会に使われる予定でした。しかし3回もの消毒にもかかわらず、ウンカの被害で通常5俵のところ2俵の収穫しかありませんでした。
子供たちは田植え時期にはジャンボタニシに苗を食われ、やっと実ったと思えばウンカに枯らされ、米つくりの苦労をしっかり学習したことでしょう。
S40年卒 今地 重敏(みやこ町勝山在住)
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